エンパワメントについて
我々は何らかの障がいのある利用者さんと関わる業務をしていますが、その範囲に限らず世の中全ての人間が完璧に物事をこなせるわけではないということも最近改めて気づかされます(私自身も含めてですが)。
そういう場面に遭遇したときに出来ないからといって誰かを切り捨てるのは簡単ですが、業務経験を生かして障がいのある方だけでなく職員、地域の方々、関わる全ての人に対して同じような気持ちをもてるようになりたいものですね。
サビ管基礎研修でレクチャーされた「エンパワメント」という言葉を思い出しました。
**エンパワメント(Empowerment)**とは、個人や集団が自らの力で問題を解決し、自己決定し、自立して生きる力を引き出すことを意味します。直訳すると「力を与える」「権限を与える」となりますが、実際には「元々持っている力を引き出し、発揮できるように支援すること」が本質です。
主な文脈での使われ方
分野 | 意味・目的 |
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医療・福祉 | 利用者や患者が自分の健康・生活に関して主体的に選択・行動できるよう支援すること |
教育 | 学習者が自信を持ち、自ら学び続ける姿勢を育てること |
組織・ビジネス | 従業員が自律的に意思決定・行動できるような環境や権限を与えるマネジメント手法 |
地域づくり | 地域住民が自らの課題を認識し、解決に向けた行動を起こせるようにすること |
福祉現場での例(障がい者支援など)
- 本人の意向を尊重し、「できないこと」よりも「できること」に着目する
- 支援者が「代わりにやってあげる」のではなく、「やり方を一緒に考える」
- 選択肢を提示して、本人が自分で選び取る体験を積み重ねる
ポイント
- 「支配」や「依存」とは反対の概念
- 自己肯定感・自立性の向上に直結
- 力を「与える」より「引き出す」ことに重きを置く