「子の特性理解し見守って」発達障害の娘育てる医師講演 土佐清水市
高知新聞 2025年10月7日(火)
子どもの特性を理解し、心の豊かさを守るために
――精神科医・河合佐和さんが語る「発達障害と親の関わり方」
名古屋市の精神科医・河合佐和さん(41)は、発達障害のある2人の娘を育てながら診療を行う母親でもあります。
2021年に自身のクリニックを開業した河合さんは、同じ悩みを抱える親子の力になりたいという思いから、日々400人近い子どもや家族の相談に応じています。講演では、自閉スペクトラム症(ASD)の長女が不登校になった当初、無理に登校させた経験を振り返り、「泣きながら『怒ってる?』と聞かれた娘の姿に、自分が苦しめていたことに気づいた」と語りました。
焦りや周囲の目にとらわれるのではなく、**「子どもが何に困っているのかを理解する姿勢が大切」**と訴えます。現在は無理に学校に通わせず、家庭教師や訪問看護などを活用して娘たちの成長を支えています。河合さんは最後に、「発達障害の有無にかかわらず、子どもの発達にはそれぞれのユニークさがある。個性に寛容で理解ある社会になれば、生きづらさを抱える子どもは減る」と語り、来場者に温かいメッセージを送りました。